「島の人たちに安心を」-奄美動物病院が出張診療
2014年05月09日
社会・経済
【沖永良部総局】奄美動物病院(奄美市)の出張診療が3~6日、沖永良部島・知名町の川内家畜病院であった。同島では昨年から小動物専門獣医師の不在状態が続いている。久しぶりの専門獣医師による診療に、小動物を飼う多くの島民が来院し、診察や相談、手術などを受けていた。
同島では2013年3月末にペットを診療する獣医師が転出して以降、犬や猫などの飼い主は、島内にいる家畜の獣医師に相談したり、重症の場合は沖縄や奄美市、与論町などに連れていくなどして診療を受けさせている。
出張診療は島の現状を聞いた奄美動物病院が和泊、知名両町に協力を依頼し、昨年12月に初めて実施。今回は2回目で同病院の獣医師3人が来島し、事前予約を受けた小動物の診察や手術に当たった。
生まれて間もない子猫を診てもらった今栄元子さん(58)=知名町=は「定期的に専門の獣医師が来てもらえるようになり、助かっている」と喜ぶ一方、「緊急の処置を要する犬や猫は島外の病院まで連れていかなければならず、金銭的負担や乗り物での移動に伴う動物への体力的精神的負担は大きい。常駐の獣医師がいないことへの不安は消えていない」と付け加えた。
次回の出張診療は12月に行う予定で、同病院の半田裕院長は「出張診療だけでは足りない部分もあるが、島の人たちの安心につながるのであれば、できる限り続けていきたい」と話した。
(写真:出張診療で診察を受ける子猫=5日、知名町)