あめ細工で「奄美の海」表現 大阪・関西万博に出品へ 鹿児島市の洋菓子店が制作
2025年04月06日
社会・経済

奄美の海をイメージしたあめ細工と、制作した柳村拓仁さん(左)と恵吾さん兄弟
13日に大阪市で開幕する大阪・関西万博に奄美大島の海をテーマに作られた、あめ細工作品が出品されることになった。制作したのは、鹿児島市武岡1丁目の洋菓子店「パティスリー ヤナギムラ」。「世界自然遺産に登録されている奄美大島の自然を多くの人に見て、感じてもらいたい」と、サンゴ礁の海を泳ぐ熱帯魚などを色鮮やかな細工で表現している。万博本番を前に、8日まで同店で作品を公開している。
展示されるのは、大阪外食産業パビリオン「宴~UTAGE」。同店などによると、過去の洋菓子大会の実績などから全国の洋菓子店10店が選ばれ、出品するという。九州からはヤナギムラのみが選ばれた。
作ったのは柳村拓仁さん(25)、恵吾さん(21)兄弟ら同店のパティシエ4人。2人は家族旅行などで奄美大島と徳之島を数回訪れ、ダイビングを楽しんだ経験がある。作品制作の依頼を受け、「奄美の海の生き物を表現しよう」と2月中旬から約1カ月半かけて完成させた。
縦横50センチ、高さ100センチ、重さ約60キロの作品名は「World Heritage Sea」。龍郷町の海をイメージ、カメやイカ、クマノミなど約200匹、10種類以上の生き物がサンゴ礁や水草の間を泳いでいるように配置されている。青や緑、黄などの色の濃淡も使いながら、深い海の中を表現した。
拓仁さんは「透明感のある奄美の海やイカのリアルさを表現するのが大変だった」と話し、恵吾さんは「あめ細工は3年前から挑戦しているがこれだけ大きな作品は初めて。どの角度から見ても楽しめる作品に仕上げることができた」と笑顔で語った。
同店では黒糖焼酎を使ったチョコレート菓子なども作っており、2人の父親でヤナギムラオーナーシェフの柳村豊仁さん(57)は「奄美には自然や食材など素晴らしいものがたくさんある。鹿児島が世界に誇れる奄美の魅力を会場を訪れる人たちに伝えられたら」と話した。
作品は同店で8日まで展示した後、陸路で大阪へ運び、13日~5月12日まで万博で展示される。