タンカンのブランド確立へ 確立5市町村連携で新事業 奄美大島選果場運営協 推進員配置し営農指導

2025年05月22日

社会・経済 

奄美大島産タンカンのブランド確立に向けた新事業について協議した選果場管理運営協の総会=21日、奄美市名瀬

奄美市奄美大島選果場管理運営協議会(大庭勝利会長、委員9人)の2025年度総会が21日、同市名瀬の市役所であった。タンカンのブランド産地確立に向けた新たな施策「あまみフルーツアイランド確立事業」の事業計画などを承認した。同事業は奄美大島5市町村が連携して今年度から実施。果樹栽培指導の専門的技術を持つ元県職員の熊本修さん(65)をブランド確立推進員として配置し、徹底した営農指導による人材育成やブランド産地の確立を進める。

 

同協議会は奄美市の農林水産部長が会長を務め、5市町村の農政担当課長、JAあまみ大島事業本部長、生産者代表らで構成。主に選果場の管理運営や負担金などについて協議を行う。

 

あまみフルーツアイランド確立事業は、専門知識を持つ推進員を中心とした営農指導を実施することで、高品質なタンカンの安定生産や光センサーを備えた選果場の利用促進につなげるのが狙い。商品価値の向上を図り、5年後の29年度には奄美大島産タンカンの「かごしまブランド」認定を目指す。

 

事業対象区域は奄美大島全域で、対象品目はタンカンと津之輝(つのかがやき)。①人材育成②選果機システムの利用促進(品質保証)③かごしまブランドの認定などブランド産地の確立―を事業の3本柱に掲げ、生産者、JA、行政が一体となり推進する。生産量や選果場への持ち込み量など、年度ごとに数値目標も掲げている。

 

推進員の熊本さんは2度の奄美大島赴任を含め36年間、県職員として果樹栽培などの営農指導や、地場産品のブランド化に向けた消費地へのPR・販促活動などに携わった。

 

事業初年度となる25年度は、推進員を中心に関係機関で▽生産量など果樹生産農家の現状把握▽選果場の利用促進活動▽ブランド産地確立に向けた商品コンセプト・ロゴ・認証マークの作成や、消費地へのPR活動に向けた計画協議―などに取り組む。

 

大庭会長は「ブランド確立を図りたいという思いは皆さん同じ。一体となってこの事業を推し進めてもらえたら」などと述べた。