焼酎トレイルが好評 原料キビ収穫、製糖見学も 奄美大島
2025年02月11日
社会・経済

サトウキビ収穫を体験する参加者=9日、龍郷町大勝
奄美黒糖焼酎に焦点を当てた日帰りバスツアー「焼酎トレイルin奄美大島・龍郷」(県酒造組合主催)が9日、奄美市、龍郷町などであった。島内外から22人が参加し、同町内の醸造所3社のほか、原料サトウキビの収穫なども見学。違う銘柄を混ぜ合わせてオリジナル焼酎を造る試みもあり、地域資源としてさまざまな可能性を秘めた焼酎の魅力を体感した。
同事業は同組合が2022年度に指宿市で開催して以降、県内各地で開催。今回の奄美ツアーは10回目で、奄美大島での一般希望者向けの開催は初めて。
ツアー参加者は龍郷町大勝にある義学さん(69)=奄美市名瀬=の畑でサトウキビ収穫を体験した後、奄美市笠利町用安の「奄美きょら海工房」で製糖作業を見学。さらに龍郷町内にある「奄美大島酒造」「町田酒造」「山田酒造」と3カ所の酒蔵を巡って焼酎が造られる工程や各銘柄の特徴を学んだ。

ツアーを締めくくったオリジナル焼酎の飲み比べ会=9日、奄美市名瀬港町
奄美ツアーでは初の試みとして各種メーカーの製品をブレンドしたオリジナル焼酎造りも実施。名瀬港町のシェアキッチン「YUITTO」であった飲み比べ会では、ツアーでの体験を振り返りながら、参加者それぞれのこだわりが詰まったオリジナル焼酎を酌み交わした。
奄美市名瀬で居酒屋を経営する宮本聖平さん(51)は「各酒蔵の話を詳しく聞けて黒糖焼酎についてより深く学ぶ機会になった」とツアーを振り返り、「きょう学んだことを、店のお客にも伝えていきたい」と笑顔を見せた。
ツアーに同行した同組合の田中完専務理事(64)は「老若男女の参加があり、中には普段焼酎を飲まないという人もいた」と手応えを語り、「黒糖焼酎を通してサトウキビ栽培や製糖など関連するさまざまな地域資源の価値にも気付いてもらえたら」と期待した。