空き家活用の知識学ぶ 住宅不足解消へセミナー 与論町

2024年01月16日

社会・経済 

相続登記や空き家活用などについて専門家から学んだセミナー&相談会=13日、与論町

住宅に関するセミナー&相談会(県大島支庁総務企画課主催)が13、14の両日、与論町砂美地来館などであった。奄美群島の住宅不足問題の解決に向けた「家守(やも)りプロジェクト」の一環で、専門家による講演や個別相談会を実施。オンラインを含め53人が参加し、専門家から相続登記や空き家活用の法律的な知識や手続き、心構えなどを学んだ。

 

セミナーでは弁護士の村山大輔さん、宅地建物取引士の川内恵司さん、遺品整理士・建築士の有馬法久さんが各専門の立場から講話した。

 

地元在住の川内さんは、住宅不足が深刻となっている与論町の現状について「住まいの問題を解決しなければ与論は立ち行かなくなる。島の人口は減っているが、世帯数は増えているという膨張圧力に対し、具体的個別的に取り組まなければならない」と述べ、危機感を強調した。

 

さまざまな専門家とNPO法人を立ち上げ、県内で地域住民と地域再生に取り組む有馬さんは、心の整理、家財道具の整理、空き家や農地の整理など「終活」の重要性や手順などについて、実践した人の声を交えて紹介した。

 

セミナーに参加した同町の男性(71)は「子どもは都会に住んでおり、終活に向けて家や農地の整理について聞きたくて参加した。法律的なところなど勉強になった」と話した。

 

セミナー後は14日午前まで、専門家などによる個別相談会があり、8件の相談があった。

 

家守りプロジェクトは2022年度始動。住宅不足が「群島一」といわれる与論町をモデル地域として同町と連携。初年度は住宅の供給量、需要量調査などを行った。県大島支庁は24年度以降、同町での取り組みを群島全体に波及させたいとしている。