GWレンタカー、需要回復 奄美大島 相次ぐ予約、車両不足も

2022年05月04日

社会・経済 

貸し出す車両を洗うレンタカー店のスタッフ=3日、奄美市笠利町

3年ぶりに新型コロナウイルスによる緊急事態宣言など行動制限がないゴールデンウイーク(GW)となり、レンタカー業界の需要が回復している。奄美市笠利町の奄美空港近くで営業する各店は、過去2年間のGWを上回る予約を受けており、車両が足りない店舗も多い。相次ぐ問い合わせへの対応や貸し出し業務に追われる中、連休明けの感染拡大を懸念する声も聞かれた。

 

九州運輸局鹿児島運輸支局の統計によると、奄美群島内のレンタカー台数は2020年度末時点で1337台。近年、観光振興に伴い増車が続いていたが、新型コロナの影響で、19年度末の2194台から大きく減った。保有台数の多い大手を中心に減車した。

 

本土で新型コロナの緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出されるたび、奄美大島内各店のレンタカー利用件数は増減を繰り返した。今年1月に島内で爆発的感染が起きた際にも予約が激減。世界自然遺産登録による好機を生かせない状況が続いていた。

 

今年のGWは、奄美大島各地の観光施設や飲食店もにぎわいを見せている。空港前のレンタカー各店は「コロナ禍以前の利用状況に近い」「予約がいっぱいで、問い合わせに他店を紹介した」などと語った。

 

車両60台を保有する奄美ゆいレンタカーは、GW需要に合わせて増車。貸し出しの間隔を短縮するなど、利用希望にできる限り応えている。同店を運営する園田モータース(喜界町)の北之園平営業部長は「利用予約は目に見えて増えた。毎日フル回転です」と話した。

 

一方、新型コロナの新規感染者数は連日、群島内外で高止まりが続いており、交流人口増加による感染拡大を懸念する声も少なからず聞かれる。あるレンタカー業者は「GW明けが不安。今年こそは先の需要を見通しながら、落ち着いて営業したい」と口にした。