「早く一人前の織工に」 修了式で中尾さん 大島紬技術専門学院

2024年03月26日

社会・経済 

織りの技術を習得して修了証書を受け取った中尾まゆみさん(中央)=25日、奄美市名瀬

大島紬の織り技術者を育成する本場奄美大島紬技術専門学院(校長・黒田康則本場奄美大島紬協同組合理事長)の2023年度修了式が25日、奄美市名瀬の市産業支援センターであった。中尾まゆみさん(39)=奄美市笠利町、大阪府出身=が2年間の過程を終え、学んだ技術を紬製造に生かす決意を新たにした。23年度の修了生は中尾さん1人。同学院の累計修了生は延べ457人となった。

 

黒田校長は式辞で「この2年間の経験を基礎に技術の向上に努め、産地活性化のために役立てることを期待している」と激励した。

 

中尾さんは「細い糸を一本ずつ縦横に合わせながら織るということは根気のいることで、毎日が自分との戦いだと学んだ。早く一人前の織工になれるよう頑張りたい」と誓った。

 

修了式には23年度入校生らも紬姿で出席して中尾さんの門出を祝った。同学院講師の栄夏代さん(81)は「アルバイトしながら家族の居る大阪とも行き来して必死に頑張っていた。覚えも早く、良い技術を身に付けたので、織から離れず傍らに置いて続けてほしい」とエールを送った。