「観光まちづくり」で講演 奄美群島環境文化総合研の小池氏 男女共同参画あまみ会議総会
2025年05月24日
社会・経済

「観光産業とまちづくり」をテーマに講演があった男女共同参画あまみ会議総会=22日、奄美市名瀬
2025年度第32回男女共同参画あまみ会議総会(重信千代乃会長)が22日、奄美市役所であった。24年度の活動や収支決算を報告し、25年度の活動計画などを決めた。奄美群島環境文化総合研究所(同市笠利町)の代表取締役、小池利佳氏による講演もあった。
25年度は、乳がん検診や児童虐待防止、女性に対する暴力撤廃など啓発活動や各種研修、交流会を実施する。役員改選では新役員1人を含む11人を選任する案に同意した。

講演する小池利佳氏=22日、奄美市名瀬
小池氏は「観光産業とまちづくり」と題して講演。冒頭では、2000年頃に建設会社で女性技術者としてトンネル設計に携わった自身の経験を踏まえて、建設業界における女性の立場の変遷を説明した。
当時は女性のほとんどが事務職。坑内労働は禁止されていたが、06年の労働基準法改正で技術職に限り認められた。現場作業は現在もできないという。小池氏は他の先進国の状況や人手不足の課題を踏まえて新たな展開に期待し、「性別を問わず、安全の向上と健康が保護されることが男女共に働きやすい社会につながる」と語った。
近代化遺産に魅了され建設業から観光業に転身し、現在は観光・地域振興の調査研究などに携わる小池氏。ハワイや沖縄といった観光地が発展した経緯や観光の在り方の変化についても解説した。
近年は地域の生活文化を体験する観光スタイルが注目されているとして、地元住民・企業が観光の提供者となり地域経済の活性化につなげる「観光まちづくり」の考え方を紹介。「地域全体で観光客を受け入れ、人の流れをつくる。舞台となるロケーションも重要」と強調した。