あすからタクシー運賃改定 メーターの変更作業開始 奄美群島

2024年03月24日

社会・経済 

25日のタクシー運賃改定を前に、メーターの新運賃変更作業を行う大島タクシーの整備担当者=23日、奄美市名瀬

奄美群島内のタクシー運賃が25日から1993年以来31年ぶりに改定されるのを前に奄美大島で23日、運賃メーターの新運賃への変更作業が始まった。変更すると旧運賃の表示ができなくなることから、群島内のタクシー会社が保有する車両の多くは、運賃改定後の25日以降に順次変更作業が行われる見込み。未変更車両に搭乗した場合、メーター表示額と請求額に差が生じるため、業界関係者は利用者の理解を求めている。

 

奄美地区のタクシー運賃は現在、初乗り運賃(1300メートルまで)が小型車520円、中型車560円で、走行距離に応じた加算運賃はいずれも90円(小型車402メートルごと、中型車359メートルごと)。改定後は小型車と中型車の車種区分が廃止となり「普通車」に統合され、初乗り運賃600円、加算運賃は370メートルごと100円になる。

 

運賃メーターの変更作業は、車種区分ごとに専用機器から新運賃データを移植して行う。奄美大島、喜界島、沖永良部島、与論島の4島は大島タクシー(奄美市名瀬)、徳之島は徳之島総合陸運(徳之島町)が担当する。

 

両社によると、奄美大島では23日、徳之島は25日から順次変更作業を行う。残る3島は大島タクシーの担当者が4月に現地入りし、与論島は3日、沖永良部島は4、5の両日、喜界島は15日に実施する。メーター変更までの期間は、一般社団法人奄美自動車連合会が配布した運賃換算表を基に金額を算出するという。

 

名瀬タクシー本社営業所の中村靖所長は「メーターが変更されるまでは全車に運賃換算表を配置し、運転手が困らないように対応する。メーターに表示された金額と請求金額が違うことでお客さんの勘違いもあるかもしれないが、運賃改定を説明すれば理解いただけると思う」と述べた。

 

大島タクシーの川節まり子代表取締役は「奄美群島4島で新運賃変更作業を担当するので、なるべく短期間で終えたい。運賃引き上げによる増収分を活用して運転手の待遇を改善することで働き手が増えれば」と話した。