おがみ山トンネル本体工事着工へ 供用開始は最短で29年度 鹿児島県

2024年03月07日

社会・経済 

    交通渋滞の緩和などを目的に、奄美市名瀬で進められている国道58号おがみ山バイパス事業で県は2024年度、永田町と真名津町を結ぶ「おがみ山トンネル」の本体工事に着手する。今秋に真名津町側から掘削を始める見通しで、27

国道58号おがみ山トンネルの真名津町側抗口に続く取り付け道路=6日午後、奄美市名瀬

年末ごろの完成を目指す。県は事業の計画期間を29年度までの予定としており、早ければ同年度内に供用が開始される見込みだ。

 

県道路建設課によると、おがみ山トンネルは延長1225メートルで幅員6・5メートル(歩道、路肩、管理歩道含め10・46メートル)。奄美大島のトンネルでは長瀬トンネル(大和村、延長1432メートル)に次ぐ8番目の長さで、同島内の県管理トンネルとしては41本目となる。

 

トンネル本体工事の一般競争入札は昨年12月1日に7業者が参加して執行され、大成・植村・村上・大和特定建設工事共同企業体(代表所在地・福岡市)が落札した。県は契約金額を75億1540万4050円とする工事請負契約議案を県議会3月定例会に提出している。

 

奄美市の区画整理事業などとも連動して02年度に開始したおがみ山バイパス事業を巡っては、「地元の合意形成が不十分」などとして09年度から中断。早期整備を求める同市からの要望もあり19年度に事業再開し、整備に必要な用地取得などが進められた経緯がある。

 

バイパス事業の計画延長は永田町―平田町の1809メートル。総事業費は地盤が軟弱だったことに伴うトンネル設計の変更や資材価格の高騰などで予定より約45億円増え約185億円となる見込み。

 

同課は「慢性的な交通混雑の緩和や交通事故の減少、災害時の迂回(うかい)路の確保などの効果が期待できる」と説明し、島内南北の人流・物流の活発化なども見込めるとしている。トンネル工事が始まる前には住民説明会を開く予定。