きょう母の日 コロナで宅配需要高まる 消費集中、分散呼び掛け

2020年05月10日

社会・経済 

生花店の店先で母の日用のプレゼントを選ぶ来店者=9日、奄美市名瀬

生花店の店先で母の日用のプレゼントを選ぶ来店者=9日、奄美市名瀬

 10日は「母の日」。今年は新型コロナウイルスの影響で花き業界の売り上げが落ち込む中、奄美市内の各生花店は、仕入れの量を調整したり、宅配のニーズに応えるなど工夫を凝らしている。市内各店舗には特設コーナーが設けられ、色鮮やかなカーネーションなどが華やかな空間を演出している。

 

 奄美市名瀬のフラワーショップさと長浜店(里祐司代表)では、定番のカーネーションをはじめフラワーアレンジメントなどの鉢物や花束など約150種類の商品を準備。9日は、10人のスタッフが電話注文や商品包装、配達に追われていた。里代表によると、今年は新型コロナウイルスの影響もあり、例年に比べて密集・密接を避けるため、配達の依頼が多いという。

 

 同級生と一緒にカーネーションとバラの花束を買った小学5年の女子児童(10)は「どんな花にするか店員さんと考えて決めた。お母さんに『いつもありがとう』と伝えて渡したい」と話した。

 

 奄美市名瀬の生花店「なかはらフローリスト」では「おかあさんいつもありがとう」と書かれた真っ赤な風船が母の日ムードを演出。永吉康一取締役によると、今年は卒業式や入学式、歓送迎会の自粛で売り上げが激減。「母の日」こそ、と意気込むが、「食料品と違って花はぜいたく品。家計が苦しくなる中で、お客さまが生花を買い控えるのでは」と懸念し、今年の仕入れは例年の半分に抑えたという。

 

 イオンプラザ大島店でも母の日コーナーを特設。1階の花束コーナー以外にもメロンやキウイなどの果物も、贈り物用として力を入れる。武宮愛一郎店長は「花だけではなく、果物も特別感があり、ニーズが高い。自分用の消費が落ち込む中、贈答用としての消費が増えていると感じる」と話す。

 

 花の生産や流通の関係団体でつくる日本花き振興協議会は、新型コロナウイルス感染拡大を受け、母の日に向けて注文が集中するのを避けようと5月の1カ月を「母の月」とし、関連商品を販売することを呼び掛けている。