バレイショ価格低迷続く=徳之島

2018年03月14日

社会・経済 

原料搬入の増加に伴い、JAあまみ徳之島事業本部選果場の敷地に山積みとなったバレイショ=13日、伊仙町目手久

原料搬入の増加に伴い、JAあまみ徳之島事業本部選果場の敷地に山積みとなったバレイショ=13日、伊仙町目手久

 収穫の最盛期を迎えた徳之島の2018年産バレイショは3月に入り、市場価格の低迷が続いている。ここ数日の収穫増や北海道産出荷も重なり、採算ラインとされるキロ当たり農家手取り額は70円を割り込んだ。JAあまみの徳之島事業本部は4年ぶりに伊仙町目手久の選果場への搬入一時停止を決めるなど、価格低迷の影響が生産者、流通業者に広がっている。

 

 今期産バレイショは2月後半の好天で肥大化が進み、約4割が3Lサイズを占める大玉傾向になった。JAの赤土新バレイショ「春一番」の今期共販計画は▽徳之島事業本部 収穫面積328ヘクタール・出荷量5248トン(前期実績316ヘクタール・4516トン)▽天城事業本部 同251ヘクタール・4267トン(同229ヘクタール・3735トン)。

 

 徳之島事業本部などによると、出荷が始まった2月上旬のキロ当たりの平均価格は210円で、農家手取り額は130円前後と平年並みだった。その後徐々に価格は下落し、農家手取り額は10日の90円前後、さらに13日には60円前後に急落した。

 

 徳之島事業本部園芸課担当者は「年末以降の野菜高騰による消費者の野菜離れや3月以降の北海道産の出荷があり、春一番の出荷ピークと重なった」と分析。共販目標額の下方修正を検討している。

 

 また、生産者手取り価格が低い年は、共販に原料が流れる傾向にあり、ここ数日の好天による収穫増なども受けて、徳之島事業本部選果場への原料搬入量は急増した。

 

 同選果場では1日最大140トンの選果・出荷が可能だが処理が追いつかず、13日現在、500トン以上が集積されたままとなっており、14、15日の受け入れを停止することにしたという。同課担当者は「適期収穫、計画出荷をお願いしたい」と呼び掛けた。

 

 13日、伊仙町内で収穫作業に汗を流していた50歳代の女性は「バレイショの値段は毎年良いとは限らない。現在の価格では種イモ代も出ないかもしれないが、昨年、一昨年の価格が高かった分、今年は我慢の1年」と話した。

 

 今期のバレイショは4月中旬ごろまで出荷を予定している。