佐仁ニンジンの魅力知って 大島北高「アマンday」 生徒らがリーフレット作成

2022年07月05日

社会・経済 

佐仁ニンジンについて説明しながら手作りのリーフレットを配布する大島北高の生徒ら=3日、龍郷町大勝

県立大島北高校(松本勇二校長、生徒121人)の3年生4人が奄美大島の伝統野菜「佐仁ニンジン」の普及活動に取り組んでいる。生徒らは3日、奄美市笠利町と龍郷町の計2カ所で、佐仁ニンジンに関する手作りのリーフレットを配布。地元住民や観光客などに伝統野菜の魅力を伝えた。

 

地域課題を探求する同校の学習活動「アマンday」の一環。1年生で奄美の自然や歴史、文化など幅広い分野について学び、2年生からは4~6人のグループに分かれて、テーマごとに課題解決に向けた調査研究を行っている。

 

佐仁ニンジンは、同市笠利町佐仁集落で古くから栽培されてきた伝統野菜。一般的なニンジンよりも細長く甘味が強いのが特徴で、色は赤と黄の2種類がある。地元では酢漬けや油みそなどの材料として親しまれている。

 

普及に取り組んでいるのは、前田青海さん、里百々花さん、武田優心さん、森永優人さん。4人は地元農家や専門家などにインタビューを行い、生産者が減少して流通が途絶えている佐仁ニンジンの現状を調査した。校内で栽培も行い、学んだことをリーフレットにまとめた。

 

佐仁ニンジンの歴史や味わい、栽培方法などを盛り込んだリーフレットは6月上旬から約1カ月かけて作成。60部印刷し、地元農家から譲り受けた佐仁ニンジンの種と一緒に配布した。リーフレットを受け取った同市笠利町の宇都宮晶子さん(45)は「初めて知った。ぜひ食べてみたい」と興味深そうに話した。

 

グループリーダーの前田さんは「佐仁ニンジンが絶滅しないよう多くの人に育ててもらい、広めていければ」と力を込めた。

リーフレットの表紙