商品開発実践「失敗も学び」 学生インターン活動報告 龍郷町

2023年03月16日

社会・経済 

インターンシップの活動成果を報告する大学生の(右から)野上さん、佐藤さん=14日、龍郷町

龍郷町内の事業所で商品開発に関わるなど実践的なインターンシップ(就業体験)に取り組んだ大学生2人の活動成果報告会が14日、同町生涯学習センターりゅうがく館であった。町職員や町内の農業、商工会関係者ら約10人が参加。学生2人は新たな商品を生み出す難しさを振り返り「失敗も学びにつながった」と報告。受け入れ事業所の担当者は「若い人材との交流でスタッフが活気づいた」と波及効果を語った。

 

インターンシップは同町秋名・幾里地区の一般社団法人「E’more(いもーれ)秋名」が町と連携して2021年度から実施。地域の関係人口創出や労働力不足補完にとどまらず、事業所の新規事業創出にもつながる実践的なプログラムとして推進している。

 

3期目の今回は東京都の明治大学2年、野上結以さん(19)と神奈川県の横浜市立大学2年、佐藤優衣さん(20)が参加。2月13日から約1カ月間、地場産食材を使った自家製ジェラートを販売する同町大勝の障がい者就労支援事業所「あまみん」で働いた。

 

2人は期間中、通常廃棄されるタンカンの残りかすを蒸留し、飲料水や精油にする商品開発に挑戦。同事業所を運営するリーフエッヂの田中基次代表と話し合いながら蒸留、精油抽出の実験や市場分析を重ね、健康志向の飲料品と観光客向けのアロマ商品を提案した。

 

報告会で2人は商品開発での苦労や発見を明かし「時間を掛けた調査、検討が必要だと痛感した。今後も何らかの形で事業所と関わり続けたい」と報告。1カ月間の奄美生活を振り返り、野上さんは「都会にない出会い、交流が楽しかった」、佐藤さんは「魅力的な島。将来的には移住も考えたい」と語った。

 

インターンシップを受け入れた田中代表は「島に少ない大学生世代の人材は事業所スタッフにとって良い刺激になった。商品開発を通じた学びは今後に生かしてほしい」と話した。