国頭沖で400㌔サメ漁獲 えらぶ漁業集落「漁業被害の軽減に」

2023年07月12日

社会・経済 

漁獲された重さ400キロのイタチザメ=11日、和泊町の沖永良部島漁協

【沖永良部総局】和泊町の漁業、山下正一さん(43)は11日朝、同町国頭沖で体長約4メートル、重さ400キロのイタチザメを漁獲した。和泊町の漁業関係者でつくるえらぶ漁業集落(塩貝和雄代表)では近年、捕った魚をサメに奪われる漁業被害に頭を悩ませており、漁獲したサメの買い取り事業を行っている。同事務局は「事業実施で漁業被害の軽減につながれば」としている。

 

イタチザメはサメの中でも最も大型の部類に入り、成熟すると重さ400キロ前後になる。性格は好奇心旺盛で攻撃的。あらゆる生物を捕食するため、非常に危険なサメとされている。

 

今回漁獲したサメは前日夜に仕掛けたはえ縄漁の針に掛かった。山下さんは400キロ台のサメを毎年1、2匹漁獲しており、「最近サメが多いと感じている。素潜りで突いた魚を引っ張っていると、後ろから追いかけられ、魚を食べられた事もあった。漁獲によりこのような被害が少なくなれば」と話した。漁獲したサメは次回の漁の餌などに利用するという。

 

えらぶ漁業集落によると、4~5年前からサメによる漁業被害が増加。漁師が捕った魚を引き揚げる途中で横取りされるほか、素潜り漁の最中に襲われフィンを食いちぎられるなど、身体を脅かす事例もあったという。買い取り事業は離島漁業再生支援交付金事業を活用して2005年度から始め、近年は総重量で年間3トン弱を買い取っている。