大学生が新商品提案 黒糖焼酎で地域創生へ 奄美大島

2023年03月20日

社会・経済 

研究発表を行う信州大学経法学部の学生=17日、奄美市名瀬

黒糖焼酎を通じて奄美の地域創生に寄与しようと、13日から奄美大島の黒糖焼酎蔵元でフィールドワーク(現地調査)を行っていた信州大学経法学部の学生6人が17日、奄美市役所で研究の成果を発表した。学生は酒造会社の代表者や行政職員、同大教授らを前に、5日間で得た奄美の歴史、文化の知識を生かし、柔軟な発想で考案した黒糖焼酎の商品をプレゼンした。

 

同学部の丸橋昌太郎教授(45)が2年前から奄美を訪れる中で島内の酒造会社と出合い、学生との関わりで地域が豊かになるモデルをつくりたいと企画した。

 

学生らは2班に分かれ、それぞれが考案した黒糖焼酎の商品を▽コンセプト▽ターゲット▽どのように奄美に貢献できるか―などの観点からプレゼン。

 

1班は「黒糖焼酎で旅する奄美群島」をコンセプトに、「あまみの雫(しずく)」という商品を提案。初垂や原酒、前割りなど好みの飲み方を楽しむことができる5本のセットで、ボトルのラベルには大島紬を現代風にアレンジした柄を採用した。

 

2班は島唄「糸繰節」の歌詞などから連想し、商品名を「いと」と名付けた。調査を通じて島唄と島民との強い結び付きに着目し、島唄と黒糖焼酎をつなげた商品の開発を考案。単価を上げ、すべての材料を奄美産にするなどこだわった。

 

発表後は、島内2社の酒造会社の代表や同大学の教授らが学生たちへ助言。

 

アドバイスを受けた総合法律学科3年の高島拓馬さん(21)は「黒糖焼酎のことを学び、現地で奄美の魅力に触れることで多くの発見を得られた。ブランディング(ブランドの価値を高める一連の施策)は今後社会に出て行く上で強みになるので、生かしていきたい」と話した。

 

丸橋教授は「地域に根差して調査した成果が十分に発揮されていた。この成果が奄美大島の魅力増進にもつながると確信した」と語った。