奄美に「業務隊」を新編 70人所属、生活基盤支える 陸上自衛隊

2023年04月02日

社会・経済 

陸上自衛隊奄美駐屯地業務隊隊旗授与式で隊旗を受け取る柿崎貴志奄美駐屯地業務隊長(右)

奄美駐屯地正門には「奄美駐屯地業務隊」の看板が加えられた=1日、奄美市名瀬の奄美駐屯地正門

陸上自衛隊奄美駐屯地業務隊の隊旗授与式と業務隊紹介行事式が1日、奄美市名瀬の同駐屯地であった。業務隊は3月16日に新編された部隊。駐屯地の施設管理や補給品調達、隊員の衛生管理、福利厚生などを担い、奄美駐屯地と瀬戸内分屯地、島外駐屯地から来島する部隊の生活環境を整備する。業務隊新編に伴う増員は約20人で、奄美駐屯地の所属隊員は約420人となった。

 

奄美駐屯地・瀬戸内分屯地は2019年3月に開設。奄美駐屯地は防空を担う中距離地対空誘導弾(中SAM)部隊や警備部隊、電子戦部隊などで編成。瀬戸内分屯地には対艦戦闘を実施する地対艦誘導弾(SSM)部隊など、約210人が駐在している。

 

業務隊は全国の駐屯地に編成されているが、奄美や対馬(長崎県)など一部の駐屯地には無く、野戦・野外の補給や支援を担う後方支援隊が生活環境整備を兼務していた。後方支援隊本来の業務強化を図るため、業務隊を新編。後方支援隊に所属していた隊員を中心に、自衛隊員約50人と防衛省共済組合職員ら合計70人で構成した。▽総務▽管理▽補給▽厚生▽衛生―の5科からなり、自治会や地域企業との連携強化も図る。

 

式典では陸自西部方面総監部防衛副長の石原由尊陸将補が、柿崎貴志奄美駐屯地業務隊長へ隊旗を授与。石原陸将補は山根寿一陸自西部方面総監の訓示も代読し「島しょ部の特性や時代の変化を意識し任務を遂行してもらいたい。奄美群島日本復帰70周年に業務隊が新編されたことは、地域と共にあり続けなければならないことを示唆する。信頼される駐屯地に向け、地域と密接に連携する業務隊への期待は大きい」と激励した。

 

陸上自衛隊は奄美駐屯地のほか、3月16日に沖縄県の石垣、宮古島、与那国駐屯地にも業務隊を編成した。