奄美を世界モデルへ 宮崎氏が30周年記念講演 男女共同参画あまみ会議

2024年03月03日

社会・経済 

記念講演で奄美を軸とした男女共同参画について世界的な視野で語った宮崎緑氏=2日、奄美市名瀬

男女共同参画あまみ会議の30周年記念講演会(同会議主催)が2日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)で開かれた。同市笠利町の県奄美パーク園長を務める宮崎緑氏が「あなたが輝く 奄美が光る 世界への視点」と題して講演。日本における男女共同参画推進の歴史的背景や奄美を軸としたグローバルな視点などについて語った。

 

同会議は1993年に「なぜ女性団体連絡協議会」として発足。2008年に現在の名称に改めた。6団体と男女38人の個人会員が所属しており、誰もが自分らしく幸せに暮らせる地域づくりなどを目指して活動している。

 

この日は約220人が来場。同会議の重信千代乃会長は「大きな節目の年を迎えることができたのは皆さまの支援のたまもの」と感謝を述べた。記念ステージでは、祝舞「かぎやで風」や地元愛好家によるオリジナル落語の演目があった。

 

講演会で宮崎氏は内閣府が示すジェンダー・ギャップ指数のデータを引用し、政治・経済の面で男女の差が大きい日本の現状を指摘。近代化以降、女性が労働力として搾取された時代から戦後の新憲法施行に伴う労働基準法、1985年の男女雇用機会均等法の制定など、女性の社会進出や男女共同参画に向けた国内の動きを説明した。

 

「鉄の女」と呼ばれた元英首相のマーガレット・サッチャー氏の「女性だからではなく能力があるから」との言葉も紹介。「あなただからできる仕事、あなたにしかないセンスを生かしていくことが男女関係なく大切」と強調した。島や集落独自の文化が調和する奄美の多様性にも言及し「もともとの奄美の良さを引き出せば世界のモデルになる」と期待を寄せた。

 

聴講した同市名瀬の上原恵美子さん(68)は「男女雇用機会均等法などが生まれたがまだ万全な状態ではない。国内や島の中からもっと声を上げていければ」と語った。