奄美群島でイセエビ漁解禁 初日水揚げ66・7㌔ 価格低調に漁業者落胆

2022年08月22日

社会・経済 

漁が解禁され、水揚げされたイセエビ=21日、名瀬漁協

奄美群島で21日、イセエビ漁が解禁された。奄美市名瀬の名瀬漁業協同組合(満林春男組合長)では、早朝から赤エビ(カノコイセエビ)や青エビ(シマイセエビ)が並び、仲買人が競り落とす光景が見られた。解禁日は例年、最高値が4千円を超えるなど高値傾向となるが、今年はその相場を大きく下回り、漁業関係者からは落胆の声が聞かれた。

 

名瀬漁協によると、21日は名瀬漁協管内のほか、奄美市笠利町、瀬戸内町からも水揚げがあった。初日の水揚げ量は前年比27・8㌔減の66・7㌔(青エビ57・1㌔、赤エビ8・7㌔、死んだエビ0・9㌔)。前日夜からのしけの影響もあり、2年連続で100㌔台を割り込んだ。

 

初日のイセエビの競り価格は、多くが2千円台から3千円台で推移した。漁協担当者は「新型コロナウイルスによる需要の落ち込みに加え、日曜日の競りで仲買人の数が少なく、業者間での競争が減ったため価格が落ち込んだのではないか」と分析した。

 

イセエビを競りに出した30代男性は「海がしけていたが、少し無理をして漁をした。初日は水揚げが少なく、高値を期待していただけに残念。相場が戻るのにはしばらくかかりそうだ」と肩を落とした。

 

イセエビ漁は資源保護を目的に、産卵期に合わせて5月1日から8月20日まで禁漁期間に設定されている。