松本さん、大海さん金賞 裏年傾向も仕上がり順調 群島たんかん品評会

2024年02月10日

社会・経済 

2023年度奄美群島たんかん品評会のL階級(下段左から)銀賞、金賞、銅賞と2L階級(上段左から)銀賞、金賞、銅賞=9日、奄美市名瀬

2023年度奄美群島たんかん品評会(奄美群島農政推進協議会、JAあまみ主催)は9日、入賞者を発表した。奄美大島、喜界島、徳之島から49点の応募があり、L階級は徳之島町の松本幸德さん(62)、2L階級は大和村の大海昌平さん(68)をそれぞれ金賞に選出。審査委員長の松比良邦彦県農業開発総合センター大島支場長は「(収穫量が減る)裏年傾向の中、果実品質は順調に仕上がったようだ」と講評した。

 

品評会は農家の生産意欲向上や高品質果実生産の推進による銘柄確立などが目的。市場での需要が高いLサイズと2Lサイズの2階級を対象に行われる。

 

出品数は前回より11点少ない。島別は奄美大島36(L、2L各18)点、喜界島2(L、2L各1)点、徳之島11(L5、2L6)点。審査は8日、奄美市名瀬の市農業研究センターと奄美大島選果場で行い、果実の傷や着色など外観と糖度、酸度を調べた。

 

糖度はLが平均12・1度、最高13・1度。2Lが平均11・9度、最高13・1度と前回より高い。0・91~1・10%が良好とされる酸度はLが平均1・11%、2Lが平均1・08%とやや高めだが、酸切れは比較的良い。

 

L階級金賞の松本さんは「『Lサイズを作れて一人前』という先輩の言葉を胸に取り組んできた。前回銀賞からまた一段上がれてうれしい」と喜びつつ「果実の品質は良いが、収穫量が昨季の半分ほどでまさに裏年」と反省点も述べた。

 

2L階級金賞の大海さんは「一喜一憂しない」とひと言。自身がJAあまみ大島事業本部果樹部会長であることも踏まえ「品質は大事だが、収穫量の表年・裏年がなく安定して営農継続できるよう適正な摘果も軽視できない」と語った。

 

金賞以外の入賞者は次の通り。(敬称略)

【L階級】▽銀賞 西田昭仁(奄美市)▽銅賞 上村太一(大和村)

【2L階級】▽銀賞 古俣文喜(瀬戸内町)▽銅賞 松本幸德(徳之島町)

【審査員特別賞】田中幹雄(奄美市)

【奨励賞】児玉旭(奄美市)