水陸機動団、砂浜へ展開 日米演習、徳之島で公開

2022年11月19日

社会・経済 

陸自水陸両用車などで砂浜に上陸し部隊を展開した訓練=18日、徳之島町の花徳浜

自衛隊と米軍の日米共同統合演習(実動演習)「キーン・ソード23」は18日、徳之島で初めての離島防衛訓練の一部が公開された。自衛隊は陸自水陸両用車(AAV)などで砂浜に上陸する訓練を行い、米軍の輸送機オスプレイが内陸部に着陸した。AAVは別の演習で展開していた陸自戦闘車と砂浜で向かい合う格好となり、離島侵攻を巡る演習であることを鮮明にした。

 

徳之島では16~18日、離島奪還と防衛を想定し、日米艦艇に搭載した専用装備で上陸する訓練を徳之島町の花徳浜で実施。偵察ボートの部隊が上陸地の安全を確保した後、AAVで人員、揚陸艇「LCAC(エルキャック)」で車両や物資を運ぶ手順を確認した。

 

自衛隊と連携して徳之島に着陸した米軍の輸送機オスプレイ=18日、伊仙町総合グラウンド

伊仙町総合グラウンドでは、日米のオスプレイによる連携訓練を南西諸島で初めて実施。花徳浜の上陸訓練と連動した自衛隊の計画に基づき、米側と情報共有してオスプレイ複数機による部隊輸送を実践した。

 

花徳浜と周辺の沿岸地では、この演習と別の指揮系統に従い、陸自西部方面隊第8師団が16式機動戦闘車や10式戦車を展開。花徳浜への上陸を図る陸自水陸機動団を敵に見立て、警戒態勢を整えた。

 

18日にあった上陸訓練の一部公開では、沖合の海自輸送艦「おおすみ」や米海軍揚陸艦「ニューオーリンズ」から出動した偵察ボート10隻、AAV14台、LCAC1隻で部隊員約200人が上陸。ヘリコプターが上空を旋回し周辺を警戒した。伊仙町総合グラウンドには、米軍普天間飛行場所属のオスプレイ1機が着陸した。

 

キーン・ソードは今年で16回目。10~19日の日程で行い、日米合わせて約3万6千人が参加している。今回は南西諸島を中心とした実動演習が中心で、海洋進出を強める中国をけん制する狙いがあるとみられる。