耕畜連携など3課題を報告 農業改良普及指導活動外部評価会 県沖永良部事務所

2024年01月24日

社会・経済 

農業改良普及指導活動について成果と課題を発表し、意見を聞いた評価会=23日、知名町

県沖永良部事務所農業普及課の2023年度農業普及指導活動外部評価会が23日、知名町立中央公民館であった。同課職員が▽耕畜連携▽花卉(かき)産地の育成▽サトウキビ受託調整組織の設立支援―の3課題に対する普及指導活動の成果を発表。ウェブ参加も含め沖永良部、与論両地区の関係機関・団体、農家代表など外部委員から意見、提言を聞いた。

 

評価会は今後の普及指導計画に生かす目的で毎年開催。今回は取り組んでいる5課題のうち3課題を発表し、評価を受けた後、残りの課題は情報提供として報告のみ行った。

 

耕畜連携は、与論島でキビの夏植えまでのほ場を有効活用した自給粗飼料の確保と、その後のキビ栽培での堆肥施用による土づくりに取り組んだ。結果、夏植えだけでなく、キビ収穫後春植えまでの短い期間で、新たに飼料エンバクの栽培が行われるなど、粗飼料面積の拡大につながった。また、地域の未利用資源だった雑木の木くずの敷料活用で、敷料増産と堆肥の品質向上も図られたとした。

 

花卉産地育成では、市場や実需者の使用実態やSDGs(持続可能な開発目標)に対応した沖永良部島でのスプレーギクのスマートフラワー規格(短茎規格)確立、認知拡大について発表。キビの受託調整組織の設立支援では、高齢化による農作業受託件数が増加傾向にある与論島での組織設立に向けた取り組みが報告された。

 

委員からは耕畜連携について「与論島の農業の課題が改善に向かっているようで喜ばしい」(与論島の農家)、スマートフラワー規格について「当初、他地域に先駆けてやることに抵抗があったが、若い生産者の意見、農業普及課職員の意見が反映され、認知度も高まり、成果を上げている。今後も連携しながらやっていきたい」(沖永良部島の農家)などの意見があった。