補助延長に歓迎の声 さらなる措置要望も ガソリン価格高騰 奄美大島

2023年09月01日

社会・経済 

ガソリン全国平均価格が過去最高を更新する中、岸田首相の補助金拡充表明で価格下落が期待される奄美大島の給油所=31日、奄美市

経済産業省が30日発表したレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均価格(28日時点)は前週比1円90銭高い185・6円で、2008年8月に記録した185・1円を上回り過去最高を更新した。原油価格の上昇や円安などを背景に全国平均小売価格の値上げが続く中、岸田文雄首相は同日、9月末で終了予定だったガソリン価格高騰を抑制する補助金制度の延長・拡充を表明。奄美の住民からは歓迎する声の一方、ガソリン関連税の減税などさらなる緩和策の要望も聞かれる。

 

30日の発表によると、レギュラーガソリン価格は46都道府県で上昇。鹿児島県は前週比で1円50銭高い191・6円だった。

 

9月7日から発動される拡充措置では、10月中にガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格を175円程度まで抑制する。軽油や灯油、重油も措置対象に加え、年内は継続するとしている。

 

奄美大島の主要なガソリンスタンドで販売するレギュラーガソリンの小売価格を毎月1回、改定している県石油商業組合大島支部では、8月14日に前月比8円増となる191・7円(1リットル当たり)に引き上げたばかり。島内のガソリン価格急騰で、かねてから補助金の延長など、国の対応を求めていた同支部の川上利治支部長(大豊石油統括部長)は「国が動いて対策してくれる」と歓迎する。

 

補助制度の延長・拡充表明翌日の31日、奄美市内のガソリンスタンドで給油していた農業の北村義久さん(52)は「補助金の延長・拡充はありがたいが、期間は年末までで対策は一時的。ガソリン税の減税など恒久的な政策が必要だ」と訴えた。

 

同支部が9月中旬ごろに予定する次期価格改定は、前回改定の協議時点から約1カ月間に変動した全国平均価格を考慮した上で決定する。補助金の延長・拡充効果で次回改定価格が引き下げにつながるかは、現時点では不透明となっている。