農業産出額328億円 子牛価格回復、キビ高糖度要因に 21年度奄美群島

2024年04月08日

社会・経済 

    県大島支庁がまとめた2023年度版「奄美群島の概況」によると、21年度の奄美群島の農業産出額は前年度を1・0%上回る328億2100万円だった。肉用牛の子牛価格回復やサトウキビが高糖度で取り引きされたこともあり、3年連続で300億円台で推移した。農作物作付面積は1万5056ヘクタールで、前年度比170ヘクタール減少した。

 

品目別では新型コロナウイルスの影響で、前年度大幅に落ち込んだ子牛価格が回復したこともあり、肉用牛が前年度比7億900万円増の103億4700万円。サトウキビは平均甘しゃ糖度の上昇を要因に、同5億6800万円増の94億9600万円。続いて野菜85億9600万円、花卉(かき)24億8700万円、果樹11億7000万円、葉タバコ1億8800万円などだった。

 

主要作物の作付面積はサトウキビが8248ヘクタールで全体の55・8%を占め、飼料作物3072ヘクタール、野菜2721ヘクタール、果樹614ヘクタール、花卉143ヘクタールなどの順。

 

肉用牛の飼養頭数は3万5千頭で、前年度比1千頭の増。島別では徳之島が半数を超える52・6%で、与論島16・5%、沖永良部島15・6%、喜界島7・7%、奄美大島7・6%。全体の飼養戸数は1532戸。1戸当たりの飼養頭数は22・8頭で、前年度比0・9頭増。規模拡大が進んでいる。

 

サトウキビは収穫面積が119ヘクタール減少したことに伴い、生産量は前年比1・8%減の38万9532トン。平均甘しゃ糖度は同1・01度高い15・26度と高品質だった。

 

農業の担い手となる認定農業者数は1111戸。営農類型別では複合農家が約半数の490戸で、単一・準単一経営の品目では肉用牛(243戸)、サトウキビ(210戸)、花卉(51戸)の順で多かった。新規就農者は前年度比3人増の32人だった。