2年ぶり「びいなす」寄港 奄美市の名瀬観光船バース

2022年04月16日

社会・経済 

名瀬港に入港した「ぱしふぃっくびいなす」=15日、奄美市

日本クルーズ客船「ぱしふぃっくびいなす」(2万6594㌧、乗客定員620人)が15日午前7時半、乗客と船員計400人を乗せて奄美市の名瀬観光船バースに入港した。新型コロナウイルスの影響で、名瀬港へのクルーズ船寄港は2020年2月下旬から今月12日まで中断されており、20年に同港で最後に受け入れたのが同船だった。2年2カ月ぶりの寄港に船員らは、運航再開の喜びと地元の出迎えに謝意をにじませた。

 

奄美市によると、奄美群島に寄港したクルーズ船の数は、17年が13隻(4683人)、18年18隻(2万1700人)、19年21隻(1万7488人)。「ぱしふぃっくびいなす」の寄港回数は過去10年間で計33回と、寄港したクルーズ船の中で最も多い。

 

同船は13日に神戸を出港。乗客は200人で、乗船前にPCR検査を2回、14日に抗原検査を受けたほか、船内での定期的な検温などの感染症対策を講じた。

 

名瀬港で下船後、乗客はオプショナルツアーで島内を観光。参加率は62%で、「金作原ウオーキング」が16人、奄美市住用町のマングローブ原生林などを訪れた「奄美の自然満喫旅」に42人、「あやまる岬と奄美の文化にふれる旅」に22人、「田中一村記念美術館と大島紬村見学」が14人。個人のタクシー利用者も14人いた。

 

クルーズコーディネーターの廣田由紀子さんは「奄美は人気の観光地で、今はコロナで歓送迎を自粛されているが、本来は地元の皆さまが温かく迎え入れてくれる港。また地元との交流が再開できることを願う」と話した。

 

同船は午後5時半に出港。16日に屋久島に寄り、17日に神戸に帰港する。ゴールデンウイークには横浜発着の「世界遺産二島めぐり」が組まれており、5月2日に再び名瀬港に寄港する。