22年度研修26人合格 地域通訳案内士へ向けて 奄美群島

2023年03月30日

社会・経済 

 

奄美群島地域通訳案内士の研修修了証を受け取る受講者=28日、奄美市名瀬

奄美群島広域事務組合が育成を進める「奄美群島地域通訳案内士」の研修修了証交付式が28日、奄美市名瀬の奄美会館であった。2022年度は群島全体で英語、中国語、韓国語の3言語合わせて34人が地域通訳案内士になるために必要な研修を修了。事業開始以来7年間の修了試験合格者は185人となった。

 

地域通訳案内士の育成は、奄美・沖縄の世界自然遺産登録やクルーズ船寄港などに伴うインバウンド(訪日外国人客)増加を想定し、奄美群島の魅力を正しく伝える人材の確保が目的。同組合が16年度から事業展開し、現在、12市町村計132人が地域通訳案内士として登録されている。

 

研修受講者は▽語学▽地元学▽ホスピタリティ(おもてなし)▽旅程管理▽救命救急│など実地研修を含む計57時間のプログラムを経て試験があり、合格した研修修了者は各自治体から登録証の交付を受けて通訳案内業に従事できる。

 

28日の交付式には合格者のうち11人が出席。一人一人に修了証を手渡した同組合の藤江俊生事務局長は「認定エコツアーガイドなどとも連携し、豊かな自然や文化、人情味も含めた奄美の魅力発信につなげてほしい」と期待を寄せた。

 

1月に神奈川県横浜市から宇検村へ移住し、同研修を修了したフリーカメラマンの金澤恵さん(36)は「海外生活を経て身に付いた独自の視点や得意な英語を生かし、SNS(インターネット交流サイト)も活用して奄美の観光PRに努めたい」と語った。

 

外国人を有償でガイドするには通訳案内士法に基づく資格が必要。奄美では14年の奄美群島振興開発特別措置法改正に伴い「特例通訳案内士」制度が創設された後、18年の通訳案内士法改正に伴い地域通訳案内士制度へ移行した。

【訂正】 研修修了(試験合格)者が2022年度「34人」とあったところを「26人」、合格者が事業開始以来7年間で「193人」とあったところを「185人」に訂正しました。