日本アンプティサッカー3連覇に東さん、前島さんら貢献
2019年11月07日
スポーツ
障がい者サッカーの第9回日本アンプティサッカー選手権大会(同協会主催)は2~3日、川崎市の富士通スタジアム川崎を主会場に開かれ、奄美関係者3人が所属するFC九州バイラオールが3年連続5回目の優勝を果たした。監督を務めた要田亨さん(43)=龍郷町赤尾木=は、「5月の大会の不振を反省しチーム一丸で挑んだおかげ」とチームワークを勝因に挙げた。
アンプティサッカーは7人制。フィールドプレーヤーは基本的に下肢切断者、ゴールキーパーは上肢切断者で構成され、フィールドプレーヤーはクラッチ(つえ)を用いて片足でプレーする。奄美関係では東幸弘さん(37)=奄美市笠利町手花部=がゴールキーパーで、前島宗平さん(29)=赤尾木出身=がオフェンスで出場した。
東さんは鹿児島市出身。生まれつき左腕がなかった。小学校からサッカーを始め、強豪鹿児島実業高サッカー部に入部。社会人でも競技を続け、現在は奄美市の社会人リーグ龍郷クラブのミッドフィルダーとして活躍している。
前島さんは龍郷クラブでプレーしていたが15年に交通事故に遭い右足がまひした。一時はサッカーを断念したものの17年からアンプティサッカーを始めた。現在は熊本市で専門学校に通い、義手や義足を製作、提供する義肢装具士を目指している。
東さんは2015年の同大会では最優秀選手に選ばれ、アンプティサッカーの日本代表も経験した。今後の目標について「4連覇はもちろんのことだが現在は知名度の低いアンプティの普及も目指したい。奄美でも体験教室を開きたい」と力を込めた。
前島さんは「アンプティを始めたのは東さんの影響。再びサッカーができてうれしい。足の具合があまり良くないので、今はとにかく競技を続けることが目標」と話し、「もう少しで学校を卒業できるので、自分の境遇を生かして障がいがある人たちの役に立つ仕事をしたい」と思いを込めた。