部員5人がC級コーチに 高校生の合格は県内初 徳之島高サッカー部

2024年03月28日

スポーツ

C級コーチの修了証を手にする徳之島高校サッカー部の瀬戸口僚監督(後列右)と部員=27日、同校グラウンド

県立徳之島高校のサッカー部員5人がJFA(日本サッカー協会)のC級コーチ養成講習会を受講して資格を取得した。県サッカー協会によると、県内で高校生がC級コーチの資格を取得したのは初めて。徳高サッカー部の瀬戸口僚監督(27)は「今後もサッカーについて学び続けて奄美群島の競技発展に貢献する人材になってほしい」と教え子たちの成長に目を細めた。

 

JFAの指導者ライセンス制度はキッズリーダーからS級までの6段階があり、C級コーチは「サッカー指導の基礎を理解し子どもから大人までのアマチュアレベルの指導ができる」と定義されている。受講資格は満15歳以上で地域でスポーツ活動を実施している指導者、または今後指導者を目指す者であること。

 

県サッカー協会主催の講習会は2月23日~3月17日に島内であり、部員らのほか島内の指導者など計10人が受講した。講習会では実技、座学、グループワーク、実践などがあり、同部の選手4人、マネジャー1人、瀬戸口監督の計6人が最終試験をクリアして資格取得を果たした。

 

講義で学んだ内容は競技の基礎のほか▽トレーニングの計画策定▽指導法─など。

部員の大保祐輝さん(2年)は「監督から誘われて受講した。サッカーは小学校1年からずっとしているが教えるのは単にプレーするよりも難しかった。将来は島で働きながら子どもたちにサッカーを教えたい」と話し、「高校での競技生活も残りわずか。県高校総体で念願の1勝を挙げたい」と気合を込めた。

 

中学までは選手だったが高校ではマネジャーとしてチームを支えている中村瑠夏さん(同)は、「サッカーは仲間たちと喜びを分かち合えるところが魅力。将来は島で社会人として、指導者として活躍したい」と笑顔を見せた。

 

瀬戸口監督は「競技経験が長い選手も指導する立場となると苦戦していたが、他の受講者のサポートもあって全員が合格できた」と笑顔を見せ、「この経験を自身のプレーに生かすだけでなく、生涯を通じてサッカーに携わり競技の楽しさを伝えられる人材になってほしい」と期待した。

 

(徳之島総局・赤塚臨)