再接近し、あす暴風域か 与論町で施設損壊被害 台風6号

2023年08月04日

自然・気象

台風接近に伴い、急ピッチで対策を進める住民ら=3日、奄美市名瀬

大型で非常に強い台風6号は3日、奄美地方全域を風速15メートル以上の強風域に巻き込みながら、沖縄県宮古島の北の海上をゆっくりとした速さで西に進んだ。奄美群島で台風から最も近い与論町では最大瞬間風速が20メートルを超える強い風が吹き、公共施設や農畜産業施設の損壊などの被害が確認された。台風は今後進路を東寄りに変えて再接近する見込みで、5日に風速25メートル以上の暴風域に入る恐れがある。

 

台風は3日午後3時現在、宮古島の北北西約230キロにあり、中心気圧940ヘクトパスカル。中心付近の最大風速は45メートル、最大瞬間風速60メートル。中心から東側220キロ以内と西側165キロ以内は暴風域、中心から南東側650キロ以内と北西側440キロ以内は強風域に入っている。

 

奄美地方南部は2日夕までに暴風域を抜け、3日は台風の中心が西へ遠ざかったが、与論では午前4時10分に最大瞬間風速22・1メートルの強い風が吹いた。与論町では町商工会の天井が崩落したほか、民家の一部損壊1棟、倉庫半壊4棟、農業用ハウス全壊、半壊各1棟、牛舎半壊2棟の被害が出ている。

 

台風は4日、東寄りに進路を変え、宮古島の北の海上をゆっくりとした速さで東北東に進む見込み。4日に予想される最大風速は北部18メートル、南部20メートル。最大瞬間風速は北部、南部とも30メートル。海上はうねりを伴い、波の高さは北部5メートル、南部は6メートルとなる見込み。

 

台風本体や周辺の暖かく湿った空気の影響で大気の状態が不安定となり、奄美地方は5日にかけて局地的に激しい雨が降る恐れがある。降水量は多いところで1時間30ミリ、4日午後6時までの24時間で80ミリと予想されている。

 

名瀬測候所によると台風は4日から6日にかけ強い勢力を維持したまま東へ進み、5日から6日にかけて奄美地方へかなり接近する見込み。予報円の中心を通った場合、南部は5日午前中、北部は同日午後に暴風域に入るため、引き続き最新の情報に注意が必要だ。