霊峰の動植物を満喫 新春湯湾岳自然観察会 奄美大島

2024年01月04日

自然・気象

40人余りが参加し、奄美の自然を楽しんだ「新春湯湾岳自然観察会」=2日、奄美大島

新春恒例の湯湾岳自然観察会(奄美ネイチャーセンター主催)が2日、大和村と宇検村の村境に位置する奄美群島最高峰の湯湾岳(694・4メートル)であった。青天の下、40人余りで林道や遊歩道を約2時間半かけて歩き、希少な動植物がすむ世界自然遺産の山を楽しんだ。

 

湯湾岳はアマミノクロウサギなど希少種、固有種を含め多様な動植物が生息・生育し、ほぼ全域が奄美群島国立公園の特別保護地区になっている。奄美大島を開祖した二神が降り立ったといわれる霊峰で、参拝に訪れる登山者も多い。

 

2日は、赤い実を付けた正月の縁起物マンリョウやセンリョウ、薄いピンクや白色の花を咲かせたサクラツツジ、赤いきのこのような見た目で光合成をしない寄生植物ヤクシマツチトリモチをはじめ、たくさんの植物が観察された。

 

親子で参加した奄美市名瀬の小田島智美さん(45)、わかさん(13)、さわ君(7)は「カレンダーや図鑑でしか知らなかったヤクシマツチトリモチの実物が見れて、貴重な経験になった」「センリョウやマンリョウ、オオシマムラサキなど知らない植物を知れてよかった」「大変だったけど展望台からの眺めがよかった」と楽しんだ様子だった。

 

主催者代表の高美喜男さん(72)は「今年は天気がよかった。ヤクシマツチトリモチも多かった。毎月の観察会もあるので、多くの人に奄美の自然に触れてもらいたい」と話した。