トカラ近海で新種の魚類発見

トカラ列島近海で見つかった新種の魚類「アヤメイズハナダイ」(鹿児島大学総合研究博物館提供)

トカラ列島近海で見つかった新種の魚類「アヤメイズハナダイ」(鹿児島大学総合研究博物館提供)

 鹿児島大学総合研究博物館の本村浩之教授らの研究チームは、トカラ列島近海でハタ科の魚類の新種が見つかったと発表した。和名を「アヤメイズハナダイ」と名付けて、11月29日発行の日本魚類学会の国際誌に論文を掲載した。新種の学名には、琉球列島の魚類学に貢献した前川水産㈱=奄美市名瀬=の前川隆則代表(60)に敬意を表して「プレクトランチアス・マエカワ」と命名した。

 

 同博物館は2007年ごろから琉球列島の魚類多様性に関する調査を進めている。新種は前川水産と共に調査を行った16年11月から17年11月にかけて、トカラ列島近海の水深150~200メートルの岩礁域から釣り上げられた計3個体を採取した。

 

 新種は体長約6センチ。背中の赤い網目模様が特徴。当初は近縁種のフジナハナダイとみられたが、頭部の骨の形が異なることや、模様の特徴から新種と分かった。和名のアヤメイズハナダイは独特な模様にちなみ名付けた。

 

 学名のほか、英名は「前川氏のイズハナダイ」を意味する「Maekawa’s Perchlet」とした。

 

 前川氏は「奄美は森の固有種が多いことで世界自然遺産の候補地になっているが、海も同じだと思う。これからも新種が出る可能性があるのでは。元気なうちは協力したい」と話した。

 

 本村教授は「前川さんの魚類学への貢献度は高い」と感謝し、「琉球列島の魚類相はまだほとんど分かっていない。今後も地道に調査し、魚類多様性の高さと海の豊かさを証明していきたい」と述べた。

 

 同博物館は調査成果の一部をまとめた「奄美群島の魚類図鑑」を19年2月に出版する予定。