ヨットで単独航海中の尾崎さん 奄美の島々寄港

2020年01月09日

地域

ヨットで旅を続けている尾崎香代さん=6日、知名町の知名漁港

ヨットで旅を続けている尾崎香代さん=6日、知名町の知名漁港

 ヨットで単独航海の旅をしているオーストラリア在住の尾崎香代さん(55)が6日、寄港先の沖永良部島で南海日日新聞社の取材に応えた。今回の旅では奄美大島、加計呂麻島、徳之島、与論島をはじめ日本各地の離島などに立ち寄り、「日本再発見。特に離島の漁港の雰囲気がいい。人が温かい」と魅力を再認識したという。

 

 尾崎さんは大阪出身で、オーストラリアに移住して30年になる。建築士として働き、ヨットは趣味として楽しんでいたが、3年半ほど前、身近な人の突然の死を機に「人間いつ死ぬか分からない、好きなことをやっておこう」と一念発起。家を売って英国製のヨット「NAUSIKAA(ナウシカ)」(全長34フィート)を購入した。

 

 オーストラリア国内の海域で経験を積んで技術と自信をつけると、日本への渡航を決意。さまざまな関連本を読み、経験豊富なヨット仲間のサポートを受けながら安全装備などの準備を進め、2018年5月半ばに出発した。

 

 ソロモン海を抜け、マリアナ諸島南端の島グアムで食料や水を調達。グアムから2週間で奄美大島、さらに北上して九州西側の島々を巡って古里大坂でしばらく滞在した。伊勢湾まで北上後に南下し、種子島、屋久島、トカラ列島、奄美諸島の島々を巡り8日現在、与論島に寄港している。

 

 ソロモン海では海賊接近の恐怖を味わったり、奄美近海では台風に遭遇したりとさまざまなハプニングもあったが、「離島の漁港に立ち寄ると、過疎化で寂れた中にも人の温かさを感じた。奄美でもわーっと人が出てきてつないでくださって。人が本当に親切で優しい」と充実した笑顔。

 

 「女性にもぜひヨットに乗ってほしい。まだまだ男社会だが、女性でもヨットを持てるし、操縦もできる。もっと多くの人に挑戦してほしい」と同性へのメッセージを寄せた。