新型コロナの影響で紙テープはなし 別れの季節 名瀬新港

2020年03月29日

地域

「ありがとう」「お元気で」│。別れの季節を迎えた奄美群島。港や空港は連日、転勤や進学で島を離れる人と見送る人々でにぎわっている。奄美市の名瀬新港は27日夜、恩師や同僚、友人を送り出す人が岸壁やターミナル2階に集った。

メガホンやチヂン(太鼓)を使って島を離れる友人らにエールを送る生徒ら=27日、午後9時17分、名瀬新港

メガホンやチヂン(太鼓)を使って島を離れる友人らにエールを送る生徒ら=27日、午後9時17分、名瀬新港

 

 同市の奄美高校から転出する西美幸教諭(46)は「子ども2人も連れてきたが、本当に皆さん優しくて温かい5年間でした。ありがとうございました」と話し、教え子らに見送られて船に乗り込んだ。

 

 新型コロナウイルス感染防止のため、夜風に舞う紙テープは見られず。午後9時40分ごろ、搭乗橋が外され、フェリーはゆっくりと離岸した。見送る人々は、船が見えなくなるまで手を振り続けていた。

 

 県は新型コロナウイルス感染拡大を受け、奄美・沖縄フェリーターミナルのある鹿児島新港(鹿児島市)の岸壁からの見送り中止をホームページ上で呼び掛けている。人の密集を避けるため、ターミナル内からの見送りも自粛を求めた。

 奄美市の名瀬新港では、27~31日と期間を限定し、岸壁からの見送りを可能としている。