藤原選手が初代王者に 徳之島出身のママさんボクサー

2018年04月19日

スポーツ

 

日本女子フェザー級初代王者、徳之島出身の藤原芽子選手(提供写真、高校生の長女撮影)

日本女子フェザー級初代王者、徳之島出身の藤原芽子選手(提供写真、高校生の長女撮影)

 女子プロボクシングの日本女子フェザー級王座決定戦が3月31日、静岡県の浜松アクトシティ展示イベントホールであり、徳之島町轟木出身の藤原芽子(わかこ)選手(37)=真正ジム、神戸市=が初代王座に就いた。小学生~高校生の3人の子を持つママさんボクサー。「チャンピオンになれてうれしい」と笑顔で語った。

 

 藤原選手は2歳から神戸市長田区で育ち、神戸市立大橋中学校のときにはバスケットボール部で3年間プレー。市立須磨高校(現須磨翔風高)を卒業後、結婚。1男2女をもうけた。

 ストレス解消のエクササイズとして神戸の真正ジムでボクシングに打ち込んでいたが、32歳の時に離婚。そのとき「1人で3人の子どもを育てたい。自信をつけたい。プロになれれば」との思いを抱いた。

 

 昼はフィットネスジムで働き、家事と育児をしながら毎日、練習に明け暮れた。1年後、33歳でプロテストに一発合格。その年の10月にはデビュー戦に挑んだが、結果はKO負け。「悔しくてたまらなかった」

 

 日本女子王座のフェザー級(55・34㌔~57・15㌔)は昨年新設された。王座決定戦は6回戦。同級2位の藤原選手は子どもたちが見守る中、1位の神成麻美選手(34)と対戦。昨年12月の王座決定戦で引き分け、再戦となった相手。藤原は2回に右ストレートでダウンを奪い、打ち合いをしのいで2―1の判定でチャンピオンベルトを手にした。

 

 「子どもたちの応援や周りの人たちの支えが力になる。できる限り競技を続けたい」。徳之島生まれの王者は新たな決意を胸に子育てとボクシングに向き合っていく。