家庭や職場でも「えらぶ語」を 和泊町
2019年07月08日
地域
和泊町のこども園、幼稚園、保育園職員で構成する「ひまわり会」主催の「えらぶ語を学ぶ研修会」が5日夜、同町役場会議室であった。ひまわり会と町職員ら約50人が参加。国立国語研究所の山田真寛准教授を講師に招き、沖永良部島の方言の衰退原因や、継承の度合いについて理解を深めた。継承のために家庭や職場などで方言を使う機会を増やすことの大切さを学んだ。
主催者によると、児童への方言絵本の読み聞かせを通じ「方言の絵本が楽しい。もっと学びたい」といった声が職員から上がり、今回の研修会を企画。趣旨に賛同した町職員らも加わった。
前半の講話で山田准教授は、方言の衰退は「家庭内で使われなくなったことが最も大きな要因」と指摘。
40歳代までの多くの島民は、方言を話せずとも理解する能力があることも紹介。その上で「親の世代(40歳代前後)の沖永良部語の使用が増えれば、その子どもも聞く機会が増え、自分たちでバイリンガル(二つ以上の言語を使用する)社会をつくることは十分に可能」と説いた。
後半はグループに分かれて「買い物」や「仕事終わり」などの場面を設定し、方言による短い寸劇を創作・発表。方言で話すことの楽しさを味わった。
和泊幼稚園の田中美保子教諭は「子どもたちに島の言葉を継承していくことは私たちの責任でもある。研修の参加者たちは、方言を使う機会をもっと増やしてみようと思ったのではないか」と話した。