「タピオカウツボ」仲間入り 昨年奄美大島で初確認 奄美海洋展示館

2023年12月22日

公開されているタピオカウツボの幼魚=21日、奄美市名瀬の奄美海洋展示館

奄美大島で昨年発見され、日本初記録種として和名が付けられた「タピオカウツボ」の幼魚2匹が、奄美市名瀬の奄美海洋展示館に仲間入りした。16日から公開されており、褐色の体に黒い斑点が特徴のかわいらしい姿で来館者を出迎えている。

 

タピオカウツボの学名はジムノソラックス・シャオイ(Gymnothorax shaoi)。ウナギ目ウツボ科に属し、台湾や南太平洋のマルキーズ諸島などに生息している。

 

昨年1月、同館学芸員が島内の海岸で30~40センチの成魚を発見。公式X(旧ツイッター)で発信したところ、投稿を見た専門家の指摘により、日本で初確認の種類であることが分かった。和名は見た目が似ている人気ドリンクにちなんで付けられた。

 

展示されている幼魚2匹は体長約10センチ。今月14日、学芸員の打和宏介さん(25)と研究者ら数人が島内の海岸を調査中に発見した。奄美大島での確認は昨年に続き2例目。

 

飼育員の小瀬村岳さん(21)によると、タピオカウツボは潮の干満による環境変化が激しい浅瀬の岩の下に生息しており、小さいエビやカニなど甲殻類を食べると考えられている。同館では自然に似せた環境を再現して飼育し、成長を記録しながら生態を調べる予定だ。

 

打和さんは「昨年見つかった成魚は展示して半月ほどで死んでしまったので、今回はストレスをかけないよう工夫しながら飼育したい。珍しいウツボをまた来館者に見てもらえる機会ができて良かった」と話した。

 

開館時間は午前9時半~午後6時。年末年始(12月31日~1月1日)は休館。入館料は高校生以上500円、小中学生300円、未就学児100円。