アマミノクロウサギ特別公開 平川動物公園
2018年05月20日
鹿児島市の平川動物公園で19日、アマミノクロウサギが特別公開された。奄美大島と徳之島にのみ生息し、飼育している施設がほとんどない国の特別天然記念物。県本土でめったに見られず、親子連れらが一目見ようと集まった。体の特徴や生息環境について説明を受け、自然を守ることの大切さを学んだ。
平川動物公園は負傷したウサギを受け入れ、これまでに4匹を飼育している。公開されたのは宇検村で昨年3月に保護されたオスのケンタ。ネコとみられる動物にかまれ、顔に傷を負っていた。傷は徐々に回復し、野生復帰を目指している。
間近で見ると茶色と灰色が混ざった毛、短い耳。子どもたちはかごの中に入ったケンタをじっくり観察し、写真を撮ったりしていた。
鹿児島市の小学4年生、内ノ倉千帆さん(9)は「黒っぽいウサギを見たのは初めて。奄美にも行ってみたい」と笑顔。飼育員の落合晋作さんは動物の交通事故を防ぐため、奄美の山を通るときは車のスピードを落とすよう注意を促した。
ゆいの島どうぶつ病院(奄美市名瀬)の伊藤圭子院長が講演し、野生動物を守る取り組みを紹介した。ノネコ(野生化した猫)に動物の生息環境が脅かされている現状を伝え、ルールを守ってペットを飼うよう呼び掛けた。