デイゴ回復事業2期目へ 保護エリア3島に拡大 瀬戸内町

2024年05月12日

治療対象となるデイゴを選ぶ樹木医ら=10日、瀬戸内町・請島

瀬戸内町は病害虫被害で樹勢が衰えた町指定の天然記念物「デイゴ並木」(加計呂麻島・諸鈍)の保護を目的とした回復事業を2024年度から3カ年計画で進める。10、11日、治療対象のデイゴを選定するため、樹木医らが加計呂麻島、請島、与路島に調査に入った。同事業は19~21年度に続き2回目。今年度から保護エリアを3島へ拡大し、約70本の治療に当たる。

 

同事業はデイゴの樹勢回復を目的とした土壌改良や枯枝除去、薬剤散布などに取り組むもので、県特定離島ふるさとおこし推進事業を活用。今年度事業費は1068万8千円が計上された。委託業者は前回同様、「木風」(東京都中央区、後藤瑞穂代表取締役社長)が選ばれ、経過状況を確認しながら事業が進められる。

 

諸鈍沿岸のデイゴ並木は、樹齢300年以上の巨木などが立ち並び、5月ごろに深紅の花で彩られる風光明媚(めいび)な観光地。2008年にデイゴに寄生する害虫デイゴヒメコバチによる被害が初確認され、以降、衰退や枯死などで85本あったデイゴは62本にまで減少した。

 

樹木医の後藤代表取締役社長によると、当初はデイゴヒメコバチが枯死原因とされていたが、近年の研究調査で、養菌性キクイムシが持ち込む「フザリウム菌」によって枝や幹が腐ることで樹木が衰退。弱った部分にデイゴヒメコバチが入ることで花付きを悪くさせていると考えられており、現在は防除方法も転換しているという。

 

10日は与路島と請島、11日は加計呂麻島を関係者らで巡り、治療を要する樹木を選定。薬剤量を計算するため、幹周や高さ、枝張りの測定などが行われた。後藤代表取締役社長は、前回治療の経過を「花付きはまだ安定していないものの、樹勢はよくなっており、回復傾向をみせる」と見立て、与路島と請島に関して「被害はさほど広がっておらず、現段階で治療を行うことで、より良い状態を保つことができる」と話した。

 

事業は7月ごろから本格的に始動する予定。