トイレットペーパーで希少野生動植物保護啓発
2019年11月23日
環境省はこのほど、希少野生動植物保護に向けて普及啓発用のトイレットペーパーを作成した。奄美大島と徳之島の全小中学校(103校)に配布し、世界自然遺産の価値を構成する希少な動植物の周知と保全への意識醸成を図る。
トイレットペーパーは再生紙を利用し、約5千個作成した。ロールには▽希少動植物の情報▽世界自然遺産について▽自然環境保護のための取り組み―などが印刷されている。実用的なものを通して学習してもらう狙い。デザインは徳之島在住のイラストレーターが担当した。
22日、大和村の大和小学校(大江修校長、児童26人)であった贈呈式では、トイレットペーパー50個に加え、奄美大島の5市町村でつくる奄美大島自然保護協議会が作成した世界遺産学習漫画「奄美大島の自然」も贈られた。漫画は島内の小中学校に配布している。
大和小6年の細川樹さん(12)は「自然に興味や関心はあったけれど、周りのみんなに伝えるようなことはしたことがなかった。私たちのような若い世代が奄美や世界遺産のことを伝え、守っていきたい」と述べた。
同省奄美群島国立公園管理事務所の千葉康人世界自然遺産調整専門官は「トイレットペーパーには身近な問題で皆さんにすぐに取り組んでもらえる内容を掲載した。学校や家庭で話題にしてもらい勉強しながら使ってほしい」と話した。