ヤドカリの生態と魅力語る 「共生者に関する研究」テーマに 鹿大島嶼研・研究会
2023年09月26日
鹿児島大学国際島嶼(とうしょ)教育研究センターの第232回研究会が25日、鹿児島市の同センターなどで開かれた。奄美大島でヤドカリの研究を行っている吉川晟弘特任研究員が講師となり、「奄美の海に暮らすヤドカリとその共生者に関する研究」の題で身近に住むヤドカリのユニークな生態と魅力を語った。
吉川特任研究員はヤドカリについて▽ほとんどの種が陸上ではなく海中で暮らしている▽ヤドカリと一緒に暮らす巻貝やイソギンチャクの仲間などの共生生物が550種以上見つかっている│と述べ、「ヤドカリ自体が他の生き物の住家として機能しており、海の生態系を知り守っていく上で重要な存在だ」と指摘した。
共生生物の一つで吉川特任研究員らのチームが新種と突き止めた「ヒメキンカライソギンチャク」の説明があり、同種が貝殻のような固い構造物を作ってヤドカリに提供することや、ヤドカリが貝殻を引っ越す際にイソギンチャクも移し替えることなど、両者のユニークな生態が紹介された。
研究会は鹿児島市の国際島嶼研究センターであり、テレビ会議システムを利用して奄美市名瀬の同センター奄美分室で中継された。オンライン参加も含めて計35人が参加した。