利用適正化連絡会議、金作原利用規制に注文
2019年03月27日
世界自然遺産
奄美大島利用適正化連絡会議の会合が26日、奄美市名瀬の県大島支庁会議室であった。関係者ら約40人が出席。世界自然遺産登録による観光客の増加を見据えて、候補地の金作原国有林(奄美市名瀬)で2月に始まった利用規制の試行に関する報告があった。利用者に認定ガイドの同行を求める自主ルールについて、出席者から「地元の人が入れる方法を考えてほしい」と制度の見直しを求める声があった。
会議は環境省、林野庁、県、奄美市、民間団体、観光関連業者らで構成。金作原の自然環境の保全と、質の高い自然体験の提供を目的に、利用規制に関する検討を重ね、認定ガイドの同行や車両台数制限などを定めた自主ルールの導入を決めた。
会合では事務局の県自然保護課が、ルールの試行開始後の予約データに基づく利用形態別の入り込み状況(2月27日~3月22日、速報値)を報告した。
期間中のガイドツアーは車両台数130台、利用人数750人。1日当たりの平均は5・4台、31・3人。旅行会社の貸し切りバスによる団体ツアーは33台、632人。1日当たりの平均は1・4台、26・3人。
同じ時間帯で最も多かった現地の駐車台数は、ガイドツアーが6台、バスが2台で、自主ルールで定めた上限(ガイド8台、バス2台)を超えた日はなかった。
ガイド同行の自主ルールに対して、出席した自然保護団体や地元集落の住民から、「地元の人が利用できないのは疑問だ。金作原は観光客のものではない」「一定の基準で利用できるルールをつくってほしい」など反発する意見が出た。
学校などによる教育目的の利用について質問があり、事務局側は自主ルール上、ガイドの同行がなくても利用できると説明した。地元の小中学生を対象に、ガイドによる学習ツアーも検討する方針。
認定ガイド以外の利用など自主ルールに違反する行為があるとして、「ルールを導入しても目が届かない状況がある」との指摘もあった。