徳之島で希少動植物保護年末年始パトロール

2019年12月30日

世界自然遺産

希少種保護のため28日から始まった年末年始パトロール=28日、徳之島北部の林道

希少種保護のため28日から始まった年末年始パトロール=28日、徳之島北部の林道

 環境省徳之島管理官事務所や徳之島地区自然保護協議会など島内4団体は28日から、年末年始の林道パトロールを始めた。来年1月5日まで島内全域の林道を巡回し、希少野生動植物の保全体制を強化する。

 

 島内では28日までに交通事故によるアマミノクロウサギの被害件数が14件発生。2月には絶滅の恐れがあるツルランが100株以上盗掘される被害があり、2018年には奄美群島国立公園の特別保護地区内に昆虫捕獲用のトラップが設置されるなど、希少種保護対策が求められている。

 

 帰省や観光などによる来島者増加を見据え、希少動植物の盗掘・盗採の未然防止や野生動物の交通事故防止などを目的に年末年始に特化したパトロールを初めて実施。林野庁徳之島森林事務所とNPO法人徳之島虹の会を含む官民4団体が輪番で、昼夜林道をパトロールする。

 

 巡回中に車両などを確認した場合は、ドライバーらへ啓発チラシなどを配布して注意喚起する。同協議会の政武文会長(67)は「林道では自然に配慮した速度で走行してほしい」と話した。