奄美の野山、春らんまん

2019年04月21日

  奄美大島の野山で春を彩る花が見ごろを迎えている。小さな花々が陽気に誘われて咲き誇り、豊かな自然の息吹を醸し出している。

 

 林縁を彩るオオシマウツギは奄美群島の固有種。1センチほどのかれんな白い花が集まって咲く。植物学者の中井猛之進博士が命名。学名は「ドイッチャ(ウツギ属)ナセアーナ(名瀬の)ナカイ」。鹿児島県のレッドリストで準絶滅危惧種。

 

 本場奄美大島紬の染料に使われ、奄美の人々になじみの深いシャリンバイ(テーチギ)。葉が枝先に輪生状に出て花が梅に似ていることから和名は「車輪梅」。海岸付近の岩場や尾根筋に自生し、街路樹としても親しまれている。

 

 アマミナツトウダイは奄美大島の固有種。不思議な形の黄色い花が、杯状の葉から顔をのぞかせるように咲く。もともと数が少なく、開発によって激減。環境省のレッドリストで、ごく近い将来、絶滅する危険性が極めて高い絶滅危惧ⅠA類。島内5市町村は希少種保護条例で採取を禁じている。

 

アマミナツトウダイ

アマミナツトウダイ