奄美大島中南部で外来植物除去
2019年04月24日
奄美大島でマングース防除事業を進める奄美マングースバスターズと環境省は22日、希少種が多く分布する奄美大島中南部の林道沿いで外来植物ムラサキカッコウアザミの除去作業を行った。約2時間の作業で90㍑入りごみ袋の50袋分を回収。関係者は「外来種問題へもっと関心を持って」と呼び掛けている。
ムラサキカッコウアザミは中南米原産。紫色の花が鮮やかなキク科の植物で、観賞用として国内に持ち込まれた。奄美大島では農耕地や集落周辺のほか、車や人と共に種が移動するなどして日当たりのよい林道沿いに広まっている。
除去作業は奄美中央林道の「きょらむん橋」周辺を中心に、奄美市住用町―宇検村間の約3㌔の区間で行った。一帯は2017年3月に誕生した奄美群島国立公園区域の中でも第1種特別地域に区分され、世界自然遺産候補地となっている。
作業にはバスターズのメンバー19人と環境省の職員2人が参加し、林道周辺に生い茂ったムラサキカッコウアザミを手作業で根から引き抜いた。
除去作業は2015年に始まり5回目。バスターズの後藤義仁さん(44)は「希少種の多い核心地域に外来種が入り込んでしまっている。世界自然遺産登録へ向け、地域住民に外来動植物の問題についてもっと考えてもらいたい」と話した。