希少種の盗掘・盗採防止へ監視体制強化 奄美大島
2019年03月15日
奄美群島希少野生生物保護対策協議会(会長・羽井佐幸宏県自然保護課長)の奄美大島地区の会合が14日、奄美市名瀬の県大島支庁であり、関係機関が活動状況を報告した。同島で相次ぐ希少種の盗掘・盗採の防止に向けて、島内5市町村は2019年度、山中に自動撮影カメラ30台を設置し、監視体制の強化を図る方針を示した。
国や県、地元市町村と関係団体から約30人が出席。各機関・団体が希少野生生物の保護に関する18年度の活動実績と19年度の計画を報告した。
同島では動植物の違法な捕獲や採取が後を絶たず、乱獲によって絶滅の危機にさらされている希少種もある。島内5市町村でつくる奄美大島自然保護協議会や環境省が昼夜のパトロールを実施しているが、対策の強化が課題となっている。
盗掘・盗採防止に向けた自動撮影カメラの設置は、同協議会が県の地域振興推進事業で計画。事業費は約190万円。違法な盗掘・盗採が確認されれば、警察への情報提供も検討するという。監視中であることを知らせる看板も設置する。
盗掘・盗採問題に関して、同省奄美自然保護官事務所から、警察と連携した関係機関による定期的な合同パトロールの実施の提案があった。
国の特別天然記念物アマミノクロウサギの交通事故の多発を受けて、県自然保護課は事故防止を啓発するため、各市町村の広報誌で事故発生件数を公表するよう提案した。
会議後、関係者らは希少野生動植物盗採防止キャンペーンを実施。山間部に近い集落や農家、山間部で作業する伐採業者や建設業者などを対象にリーフレットを配布し、監視体制づくりへの協力を呼び掛けた。