盗掘・盗採防止へ 合同パトロールで啓発 奄美大島
2020年09月18日
奄美大島で希少な動植物の盗掘・盗採が相次いでいることを受けて、関係機関による夜間の合同パトロールが15日、龍郷町の林道であった。環境省、龍郷町、奄美署の職員ら6人が参加し、通行しているドライバーにチラシを手渡して希少な野生生物や法規制などについて啓発した。
パトロールは希少なクワガタなどの活動が活発になるシーズンを迎えて、監視の強化を目的に環境省と島内5市町村でつくる奄美大島自然保護協議会が主催。車両3台で約2時間、山間部を巡視し、これまでに昆虫トラップが見つかった場所などを確認して情報を共有した。不審な人物や車両などは確認されなかった。
環境省によると、島内では今年4月以降、無許可の工作物設置が禁止されている国立公園の特別地域内で複数の昆虫トラップが見つかっている。旅客による野生生物の持ち出しについて、空港からの問い合わせも多いという。
環境省奄美群島国立公園管理事務所の後藤雅文離島希少種保全専門官は「パトロールを行っていることで住民の関心が高まり、情報提供も増えている。引き続き関係機関と連携して盗掘、盗採対策を進めていきたい」と話した。