盗掘防止へ監視強化 奄美大島
2020年08月15日
奄美大島で希少な動植物の盗掘・盗採が相次いでいることを受けて、関係機関による夜間の合同パトロールが11日、瀬戸内町の林道であった。環境省、瀬戸内町、瀬戸内署の担当者と自然保護関係者ら8人が参加し、不審な人物や車両に目を光らせた。今後もパトロールを継続して監視を強化する。
多くの観光客が訪れる夏休み期間中の盗掘・盗採防止を目的に、環境省と島内5市町村でつくる奄美大島自然保護協議会が主催。島内で関係機関が実施している日中、夜間のパトロールと合わせて体制の強化を図る。
11日は車両2台で約3時間、山間部を巡回。これまでに昆虫を捕獲するためのトラップが見つかった場所などを確認し、参加者らで情報を共有した。不審な人物や車両などは確認されなかった。
環境省によると、島内では今年4月以降、県の条例で採取が禁じられているカクチョウランの盗掘被害が相次いだほか、無許可の工作物設置が禁止されている国立公園の特別地域内で、昆虫トラップが数件見つかっている。旅客による昆虫などの持ち出しについて、空港からの問い合わせも多いという。
環境省奄美群島国立公園管理事務所の後藤雅文離島希少種保全専門官は「盗掘、盗採の防止は奄美の世界自然遺産登録に向けた重要課題の一つ。パトロールの強化で抑止効果が高まる。関係機関と連携して、島一丸となって対策を進めていきたい」と話した。