請島で希少種保全パトロール 環境省
2018年07月22日
環境省は2018年度、瀬戸内町請島・大山地域の希少種保全パトロール事業を始める。主に夜間の定期的なパトロール(巡視)によって希少種の盗掘・盗採防止や生息状況の調査、外来種の監視などを行う。7月中の事業開始に先立ち19日、池地公民館で研修会を開催。住民や町の職員ら約30人が参加し、島の自然環境への知識を深めた。
大山はウケジママルバネクワガタやウケユリなど貴重な動植物が生息し、国立公園に指定されている。パトロール事業は希少種保全対策強化の一環で同島では初の実施。実際の活動はウケユリの保全などに取り組む住民グループ「みのり会」が担う予定。
この日の研修会では東京大学医科学研究所特任研究員の服部正策さんが講師を務め、「請島の自然」と題して講義。島に生息する動植物について解説した。
みのり会の益岡一富会長は「今後みのり会と集落の方たちと共に保護活動に取り組む」、環境省奄美自然保護官事務所の千葉康人上席自然保護官は「請島の自然はこれまで集落の皆さんが大切に守ってきた世界でもここだけにしかない貴重な宝。集落の皆さんと一緒に将来にわたって守っていきたい」と力を込めた。