野生動物保護へ車の減速訴え あまみワイルドライフセミナー
2019年03月03日
環境省奄美野生生物保護センター、奄美自然体験活動推進協議会の2018年度あまみワイルドライフセミナーが2日、奄美市名瀬の奄美博物館であった。奄美大島で哺乳類の研究を行っている講師2人が野生動物の交通事故防止策とコウモリの生態についてそれぞれ講話。帯広畜産大学特任講師の浅利裕伸さんは「動物たちを守るために今すぐできること」として車の減速を訴えた。
15年から奄美大島でアマミノクロウサギの交通事故防止対策などの研究を行っている浅利さんは、年間20~30匹が事故に遭っているとして「世界自然遺産登録に向けた動きなどで今後観光客が増えるとするとさらに対策が必要になる」と指摘。
道路を横断する動物のための歩道「オーバーパス」「アンダーパス」など国内外の動物の交通事故防止策を紹介した上で「現実的で今すぐに誰にでもできることは車の減速」と述べた。
環境省奄美野生生物保護センターの元アクティブレンジャーで奄美海洋生物研究会の木元侑菜さんは、これまでに奄美大島で出合ったコウモリや浅利さんと共に調査した新発見のコウモリについて説明。世界で5件しか発見例のない「スミイロオヒキコウモリ」など珍しい種類や未発見のコウモリが島内に生息している可能性があるとして、情報提供を呼び掛けた。
セミナーは調査研究成果の地元への還元と自然環境保全の普及啓発が目的。約30人が参加した。
コウモリの目撃情報の連絡先はメールasari@obihiro.ac.jp浅利さん、同omelette.3311@gmail.com木元さん。