アマミトゲネズミの飼育園へ 親子らシイの実採集/奄美市笠利町

2021年11月24日

シイの実を拾い集める参加者=21日、奄美市笠利町

 本土の動物園が飼育に取り組む絶滅危惧種のアマミトゲネズミに届けようと、餌になるシイの実を拾い集めるイベントが21日、奄美市笠利町の蒲生崎観光公園であった。親子連れなど36人が参加し、落ち葉に埋まった実を一つ一つ採集した。

 

 世界自然遺産に登録された奄美大島の自然に関心を深め、保全につなげる目的で、奄美関係の企業や団体で組織する世界自然遺産推進共同体(代表・久見木大介日本航空鹿児島支店長)が主催。島内のメンバーや家族らが参加した。

 

 アマミトゲネズミは国の天然記念物で奄美大島だけに生息している。環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠB類。同省が絶滅危惧種の保全を目的に進める「生息域外保全」の取り組みで、2017年から国内の動物園で飼育し、繁殖させる試みを行っている。

 

 参加者らは奄美市笠利総合支所に集合。奄美市立奄美博物館学芸員の平城達哉さんがアマミトゲネズミの生態や飼育の取り組みを紹介。蒲生崎観光公園に移動し、遊歩道を散策しながらシイの実を拾い集めた。採集した約4・7キロを埼玉県こども動物自然公園に送る。

 

 家族4人で参加した名瀬小学校3年の下小牧昊祐君(8)は「たくさんどんぐりが拾えてうれしかった。動物園にいるアマミトゲネズミにたくさん食べてほしい」と笑顔で話した。

採集したシイの実